いろいろな角度のバリアをフリーにしたカフェ
アパレル業界における、カフェが抱える課題とバリアフリー化による解決
近年、アパレルショップに併設されたカフェが増えています。おしゃれな空間で、ショッピングの前後に休憩したり、友人と会話を楽しんだりできる場所として人気を集めています。しかし、見た目重視のデザインであるがゆえに、バリアフリーの観点からは課題を抱えているケースも見られます。
段差と見た目重視の家具
アパレルショップ併設のカフェは、ブランドイメージを体現するために、内装や家具にこだわりを持つ傾向があります。そのため、空間デザインを優先して、段差を設けたり、移動しにくい大型のソファやテーブルを配置したりするケースも少なくありません。しかし、このような設計は、車椅子利用者や高齢者、ベビーカー利用者などにとっては大きな障壁となります。
例えば、あるアパレルブランドのカフェでは、エントランスに段差があり、車椅子利用者は入店することができませんでした。また、店内には重厚なソファが置かれており、高齢者や体の不自由な人は、席への移動や着席に苦労していました。このような状況では、せっかく来店したお客様でも、快適に過ごすことができず、リピーター獲得の機会を逃してしまう可能性があります。
そこで株式会社opelatte(オペラテ)と協業し、新たなデザインとサービスを考えていきます。
右肩下がりの集客
見た目重視のカフェは、 若者を中心に人気を集めます。しかし、バリアフリー対応が不十分な場合、ターゲット層が限定されてしまい、集客に苦戦する可能性があります。
実際、前述のカフェでは、オープン当初は若者で賑わっていましたが、徐々に客足が遠のき、売上も減少傾向にありました。これは、ターゲット層を若者に限定していたため、顧客層の拡大に失敗したことが原因の一つと考えられます。
年齢層の幅が広がる
バリアフリー化を進めることで、カフェの利用者は多様化し、年齢層の幅が広がります。車椅子利用者や高齢者、ベビーカー利用者など、これまで来店が難しかった人々も快適に利用できるようになり、新たな顧客を獲得できる可能性があります。
例えば、前述のカフェでは、バリアフリー化の一環として、エントランスにスロープを設置し、車椅子でも入店できるように改修しました。また、店内の一部に車椅子でも利用しやすいテーブル席を設け、通路幅も広げました。さらに、スタッフのバリアフリーに関する意識向上のための研修も実施しました。
その結果、車椅子利用者や高齢者の来店が増加し、客層の幅が広がりました。また、バリアフリー対応によって、カフェのイメージが向上し、地域住民からの支持も得られるようになりました。売上も回復傾向にあり、バリアフリー化がビジネスにも好影響を与えていることが分かります。
まとめ
アパレルショップ併設のカフェは、見た目重視のデザインだけでなく、バリアフリーにも配慮することが重要です。バリアフリー化を進めることで、幅広い年齢層のお客様に快適な空間を提供し、集客力向上とブランドイメージ向上につなげることが可能になります。